近年、プログラミングに対する世の中の関心度は高まってきています。そんな中、「プログラミングを勉強したいけど何から始めればいいの?」「いろんなプログラミング言語があるけど、何を勉強したらいいか分からない」といった悩みを持っている人は多いのではないでしょうか。
どのプログラミング言語を選ぶかによって、これからのキャリアや収入などに影響が出ることもあるため、本記事ではプログラミング初心者におすすめの言語や最適な選び方について解説していきます。
プログラミング言語とは
私たちが日常的に使用しているスマホアプリやゲーム、Webサイトなどはプログラミング言語を利用して作られています。
プログラミング言語とは、人がコンピュータに命令を出すために使われる言語で、世の中のさまざまなシステムは基本的に、このプログラミング言語で作られています。
プログラミングを学習することで、新しいキャリアを目指すことができ、色々な働き方の選択肢が増えていきます。
プログラミング言語を選ぶコツ
プログラミングを勉強しようと思っている初心者の方は、「そもそもどうやってプログラミング言語を選べば良いか分からない」といった方も多いため、ここではプログラミング言語を選ぶコツについて解説していきます。
やりたい事から選ぶ
プログラミング言語を選ぶコツの1つに、自分のやりたい事から選ぶという方法があります。
プログラミング言語には色々な種類があり、どの言語を学習するかによって作れるシステムは大きく変わってきます。そのため、まずは自分が何をやりたいか、どんなものを作りたいかを明確にする事で、プログラミング言語を選ぶ1つの指標となるでしょう。
将来性から選ぶ
特に自分のやりたいことが見つからないという人もいるかと思います。そのような場合には、プログラミング言語の将来性から選ぶということもできます。
例えば、近年AIや機械学習の分野が急激に注目を浴びており、あらゆる場面で活用されるようになっています。そのため、爆発的な需要に対するAIエンジニアの供給が足りておらず、今後もAIや機械学習の市場が拡大していくためとても将来性が高いといえます。
このような場合に、AIや機械学習に関するプログラミング言語を学習するという選び方はとても良い選択だと言えます。
学習難易度から選ぶ
プログラミング言語を独学で学習したとしても、難しさのあまり挫折してしまっては元も子もありません。そのため、初心者からでも比較的学習しやすい言語を選ぶという選び方もできます。
プログラミングを学習していると、複雑な仕組みや概念を理解する必要があるため、いきなり難しい言語を学習するのではなく、基本的な理解を深めながら学習できる言語を選択するといった選び方もあります。
初心者におすすめのプログラミング言語9選
ここでは、初心者におすすめのプログラミング言語を9個ピックアップして解説していきます。
1.Python
Pythonは近年、AI開発などでとても注目されているプログラミング言語です。その他にも、Webサービスの開発やデータ分析、機械学習など、多くの分野で使えて対応範囲の広いプログラミング言語となっています。
また、Pythonの文法も分かりやすいという特徴があり、ライブラリの種類も豊富なので比較的学習しやすい言語です。
Pythonでできること
Pythonでできることには、次のようなものがあります。
- Webサービス、Webアプリケーション開発
- 機械学習を利用したAI開発
- スクレイピングによるデータの自動収集
- データ分析による効率化
- ブロックチェーン技術の開発
人気の理由
Pythonはプログラミング初心者だけでなく、既存のエンジニアからの人気も高い言語です。人気がある理由としては次のようなものがあります。
- コードがシンプルで学びやすい
- 汎用性が高い
- ライブラリが充実している
- 収入が上がりやすい
- 出回っている情報量が多い
2.Ruby
RubyはWebサービスやWebアプリケーションで多く利用されているプログラミング言語です。まつもと ひろゆき氏が開発した日本製のプログラミング言語で、比較的学習コストが低いことから、プログラミング初心者に人気の言語となっています。
Rubyでできること
Rubyでできることには、次のようなものがあります。
- ECサイトの開発
- SNSの開発
- Web APIの開発
- チャットボットの開発
人気の理由
Rubyはプログラミング初心者からとても人気のある言語です。人気の理由には次のような理由があります。
- シンプルな文法で学びやすい
- 幅広いWebサービスを開発することができる
- ベンチャー企業やスタートアップ企業で多く採用されている
- 短期間でWebサービスの開発を行える
3.Java
Javaは昔からよく使われているプログラミング言語です。Googleの3大言語の1つでもあり、OSに依存することなく、どんな環境でも使える言語となります。
Javaはさまざまな現場で使われており、需要の高い言語としてとても人気があります。
Javaでできること
Javaでできることには、次のようなものがあります。
- Webサービス、Webアプリケーションの開発
- PC用ソフトウェアの開発
- 基幹システムの開発
- 組み込みシステムの開発
- IoTの開発
人気の理由
Javaは昔から今に至るまでずっと人気のあるプログラミング言語です。人気の理由には次のような理由があります。
- 実行環境に依存せず、汎用性が高い
- 処理の実行時間が早く、安定性が高い
- 多くの現場で使用されており、需要が高い
- 仕事に繋がりやすい
4.PHP
PHPは、Rubyと同様にWebサービスやWebアプリケーションに多く利用されているプログラミング言語です。また、データベースとの連携が簡単なことから、サーバーサイドの開発に向いてる言語と言えます。
世の中に公開されているWebサイトのうち、約8割がPHPで作られているため、圧倒的なシェアを誇っているプログラミング言語です。
PHPでできること
PHPでできることには、次のようなものがあります。
- ECサイトの開発
- SNSの開発
- 社内管理ツールの開発
- 予約システムの開発
- 掲示板サービスやブログサービスの開発
人気の理由
PHPは多くのWebサービスで利用されており、とても人気の高いプログラミング言語です。人気の理由には次のような理由があります。
- シンプルな文法で学びやすい
- 環境構築が簡単にできる
- 案件が多い
- 教材やスクールで多く取り上げられている
- データベースとの連携が簡単にできる
5.JavaScript
JavaScriptは、WebサイトやWebサービスを動かすために使われているプログラミング言語です。ポップアップやアニメーションなど、さまざまな動きを付けることができ、HTMLやCSSと併用して使用したりします。
また、フロントエンドの開発だけではなく、バックエンドの開発にも使用されるため、とても汎用性の高い言語となっています。
JavaScriptでできること
JavaScriptでできることには、次のようなものがあります。
- 動的なWebサイト、Webサービスの開発
- ゲームの開発
- 非同期通信の開発
- チャットボットの開発
- サーバーとの通信処理
人気の理由
JavaScriptの人気の理由には、次のような理由があります。
- 未経験から学習しやすい環境や教材が揃っている
- 対応できる範囲が広く、汎用性が高い
- 開発環境を簡単に整えることができる
- フロントエンドとバックエンドのどちらにも対応可能
- 他のプログラミング言語と併用して使うことができる
6.C#
C#とは、マイクロソフトが開発したオブジェクト指向のプログラミング言語です。主にゲーム開発などで多く利用されている言語で、エンタメの分野でとても人気の高い言語と言えます。
Windows向けのアプリケーション開発などに使用されることが多いですが、それ以外にもiOSやAndroidアプリの開発などにも使用することができます。
C#にできること
C#にできることには、次のようなものがあります。
- Windows向けのアプリケーション開発
- iOSやAndroid向けのアプリケーション開発
- Webアプリケーションやゲームの開発
- VR/ARシステムの開発
- CUIなどのシステム開発
人気の理由
C#は将来性が期待できる分野などでも使用されているプログラミング言語です。人気の理由には、次のような理由があります。
- 多くのプラットフォームで開発することができる
- 新しい分野での活用が期待できるため、将来性が高い
- ゲームの分野でも注目が高まってきている
- 異なるプログラミング言語を習得する際にも有利になる
7.Go
Goは、2009年にGoogleが開発した比較的新しいプログラミング言語です。シンプルかつ高速な処理を行うことができ、構文がとてもシンプルなため規模の大きいシステム開発などにも向いています。
また、エンジニアが学びたいプログラミングとしてもとても人気があり、将来性の高い言語と言えます。
Goでできること
Goにできることには、次のようなものがあります。
- ロボットやドローンなどのIoT開発
- プログラミング言語の開発
- 高度なソフトウェア、ツールの開発
- 決済処理を用いたWebサービスの開発
- APIサーバーの開発
人気の理由
Goは将来性を期待できるプログラミング言語です。人気の理由には次のような理由があります。
- 処理の実行速度が速い
- ライブラリが豊富
- 文法がシンプルなため、初心者にも学習しやすい
- 小規模、大規模なシステム開発に向いているため、導入企業が増加している
- 安全性がとても高い
8.Swift
Swiftは、2014年にAppleが開発した新しいプログラミング言語です。iPhoneやMac、iPadなどのApple製品向けのアプリケーションを開発する言語で、近年では一般的なWebアプリケーションなどの開発もできるようになっています。
Swiftでできること
Swiftでできることには、次のようなものがあります。
- iPhone、Mac、IPad用のアプリケーション開発
- Apple Watch用のアプリケーション開発
- Apple TV用のアプリケーション開発
- Webアプリケーションの開発
人気の理由
Swiftはアプリケーションの開発に向いているプログラミング言語です。人気の理由には次のような理由があります。
- プログラミング初心者でも学習しやすい
- 直感的にアプリケーション開発をすることができる
- Apple製品の普及に伴い、需要が拡大している
- Swiftに注目している企業が増えてきている
9.C言語
C言語はプログラミング言語の中でも知名度が高く、昔から使われている言語です。ハードウェアやソフトウェアなど、あらゆるものを開発することができ、システム開発のベースとなるプログラミング言語です。
C言語でできること
C言語でできることには、次のようなものがあります。
- WindowsやLinuxなどのOS開発
- ソフトウェアやアプリケーションの開発
- IoTやAIの開発
- 基幹システムの開発
- 組み込みシステムの開発
人気の理由
C言語はとても対応範囲が広く、汎用性の高いプログラミング言語です。人気の理由には、次のような理由があります。
- 家電や電子機器、電子工作などの日常に必要なものにも使用されている
- 幅広い分野で活用され、汎用性が高い
- さまざまなプログラミング言語のもととなる言語である
- OSからアプリケーションまで何でも作れる
まず初めに学習するならこのプログラミング言語
上記では、プログラミング初心者におすすめの言語を紹介しました。その他にも、さらに基本的なものから学習をしたい場合には、HTMLやCSSから学習を始めるといった選択もあります。
HTML
プログラミング初心者の方は、HTMLから学習を初めてみても良いかもしれません。
HTMLは、タグを使ってWebサイトなどの構成を組むために使われるマークアップ言語です。「段落」「見出し」「リンク」「画像」といった要素を組み合わせて、Webサイトの構成を作っていきます。
情報系の大学などでも学習するマークアップ言語ですが、Web系のサービスを開発しているような現場などでは当たり前に使われているため、学習しておいて損はないものとなっています。
CSS
CSSは、HTMLでマークアップされた文字や構成にスタイルを適用するスタイルシート言語です。
CSSも同様に、Web系のサービスを開発しているような現場では当たり前に使用されている言語で、画面に表示される文字の色や画像のサイズ、レイアウトなどを自由に変更することができます。
プログラミングを効率よく学習するためのコツ
プログラミング学習には、よくやりがちな間違った勉強方法があります。ここでは、プログラミングを効率よく学習するためのコツを3つご紹介します。
- 暗記しようとしない
- アウトプットを意識しながら学習する
- 人の書いたコードを読む
暗記しようとしない
プログラミング初心者に多い間違いは、暗記しようとすることです。
実際の現場では、プログラミングを行う際は調べることができるため、文法や関数を暗記する必要はなく、重要なのはそれを知っていることです。
そのため全く暗記していなくても、文法や関数を知っていれば検索で情報が出てくるため、あとはそれを理解する知識さえあれば問題なく実務をこなすことができます。
アウトプットを意識しながら学習する
プログラミングはアウトプットを意識しましょう。具体的には、調べて理解できたものに関しては実際に自分でコードを書いてみたり、新しく身についた知識はブログなどに書いて残しておいても良いです。
インプットだけでは完全に理解しきれないため、アウトプットをすることで曖昧に理解していた箇所などがより鮮明に見えてきます。
人の書いたコードを読む
プログラミングを効率よく学習するために効果的なことは、人が書いたコードを読むことです。この際に気をつけなければいけないことは、ただ読むのではなく、その記述されたコードがどんな処理を行っていて、どんな意味を持って書かれているのかを考えながら読むことです。
コードを読むことで、実際のコードの書き方や処理の流れを明確に理解することができるため、人のコードを読む機会を増やすように心がけましょう。
おすすめの学習方法
プログラミングの学習方法は人それぞれです。ここでは、プログラミング初心者におすすめの学習方法を解説します。
参考書や教材で学ぶ
プログラミングを独学で学習する人は、学びたい言語の参考書や教材を使用して学習する方法があります。
参考書や教材には、多くの情報が体系的にまとめられており、さらに隙間時間を活用して学習することも可能です。
一方、わからない所を質問できる相手がおらず、情報が古くなってしまう可能性などもあります。
学習サービスを利用する
プログラミングの学習サービスを利用する方法もあります。
学習サービスには無料のものや有料のものがあり、比較的どこにいても好きなタイミングで学習することができます。また、サービスがアップデートされることで学べる言語が増えたり、実践的な学習ができるサービスなどもあります。
プログラミングスクールを利用する
プログラミングスクールで学習する方法もあります。
スクールに通うと、専門の講師が質問に答えてくれたり、挫折しないように設計されたカリキュラムなどがあるため、短期間で効率よく学習することができます。
場所によっては就職や転職のサポートを行っているスクールもあるため、利用してみるのも良い選択です。
まとめ
本記事では、初心者におすすめのプログラミング言語や選び方のコツ、そして最適な学習方法などを解説いたしました。
興味のある分野や将来作ってみたいものを想像して、どのプログラミング言語が自分にあっているかをきちんと分析することで、これからのキャリアが変わってくるため、新しいチャレンジをしようとしている方の参考になればと思います。
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