コンテンツマーケティングとは
「コンテンツマーケティング」という言葉をご存知でしょうか?IT業界で働いている方や、「これから働いてみたい!」と情報収集をされている方は目にした事があるのではないでしょうか?
コンテンツマーケティングとは、マーケティング手法の一つで、対象となる不特定多数のオーディエンスへ向けたコンテンツをオンライン上で作成、公開、配布することに焦点を当てた手法のことを指します。そして近年、このコンテンツマーケティングが注目を浴びています。
コンテンツマーケティングが注目されている理由
これまでのコンテンツマーケティングの手法としては、情報を一方的にユーザーに向けて発信するといったものが一般的とされていました。
しかし、近年インターネットが普及したことにより、ユーザーが求める情報を発信する必要が出てきました。
これまで以上にコンテンツマーケティングの質や内容が重要視されるようになったのです。
コンテンツSEOとの違い
コンテンツマーケティングと混同しがちなマーケティング手法にコンテンツSEOというものがあります。
コンテンツSEOとは、「ユーザーの検索意図に沿った良質なコンテンツを継続的に発信し、自然検索から集客の増加を目指すSEOの一つ」です。
「コンテンツマーケティングと何が違うの?」と感じた方もいるかもしれませんが、大きな違いは、コンテンツマーケティングは「チャネルを選ばない」という点です。
コンテンツSEOが「検索エンジン」にチャネルを絞って自然検索からの顧客増加を目的としている点に対して、コンテンツマーケティングは検索エンジンであろうが、メールマガジンであろうが、ソーシャルメディアであろうが問わず定期的にコンテンツを発信して顧客の獲得を目指します。
つまり、コンテンツSEOは「検索エンジン」というチャネルに焦点を絞った、コンテンツマーケティングの施策のうちのひとつ、ということになります。
コンテンツマーケティングの目的
コンテンツマーケティングを行う大きな目的としては、
- ターゲットとなるユーザーとの繋がりを作る
- ブランディングの向上
- ファンの獲得
- 商品やサービスの新規契約の獲得
の4つがあります。
おもに新規顧客の獲得やそのきっかけ作りを目的としていますが、自社のブランディング向上等、既存顧客へのアプローチも重要となります。
コンテンツマーケティングの種類
コンテンツマーケティングを行ううえで使われる記事コンテンツにはさまざまな種類があり、その適切な使い分けがかなり重要な要素になってきます。
ここではそれぞれの記事コンテンツのメリットや、主な使用方法などを記載しています。
ホワイトペーパー
webからダウンロードする事ができる資料のことで、展示会等のイベント等で配布をしたり、営業時に資料として配布をしたり、さまざまな活用方法ができるというメリットがあります。
ホワイトペーパについて詳しく知りたい方はこちら↓
ランディングページ(LP)
ランディングページ(LP)とは、広告、検索結果等を経由してサイトを訪問した人が最初にアクセスするページのことです。
コンテンツとしてLPを利用するするメリットとしては、商材アピール用のLPに遷移する前にユーザーの商品の認知や興味・関心の醸成ができる点、ネイティブ広告から直接通常LPに遷移した場合の離脱数を抑えられるという点などがあげられます。
ランディングページ(LP)について詳しく知りたい方はこちら↓
画像
記事の冒頭にアイキャッチとなる画像を入れることで、ユーザーが思わずクリックしたくなるようなコンテンツをつくることができます。
また、記事内の適切な箇所にテーマに沿った画像を挿入することで、ユーザーの直感的な理解や、記事のパフォーマンス向上を促す事が可能です。
動画
動画は文章だけの場合と比較して、約5000倍もの情報量を伝えられるとも言われており、コンテンツマーケティングにおいては非常に効果的なコンテンツです。
企業のイメージアップに繋がる「ブランディング動画」、認知を狙える「サービス紹介動画」、商品の取り扱い説明書代わりにも使用する事ができる「How To動画」などの種類があります。
動画はユーザーにとっては直感的に認識しやすいので、強く印象づけることができるというメリットがあります。
How To(ハウツー)動画について詳しく知りたい方はこちら↓
メルマガ
コンテンツマーケティングにおけるメルマガの役割はさまざまですが、主にオウンドメディアの更新通知やウェビナー等のイベントの開催通知等、見込み顧客や既存顧客へ向けた告知で使用されているケースが多く見られます。
他には、購読者限定のコンテンツ配信や、先に説明したLPの配布など、他の自社コンテンツと組み合わせたアプローチなども効果的です。
SNS
「コンテンツを拡散する」といった目的で使用するのであれば、SNSの活用を行うことが効果的です。ブログ等でのコンテンツの拡散は、すぐに効果が見られないことが分かっています。
それに対してSNSは、有益な情報やより多くの人に伝えたい情報をやり取りする目的で活用されており、その拡散力は非常に高い物となっています。
プレスリリース
プレスリリースとは、ジャーナリストまたは同じ業界の人々に向けて報道価値のある公式発表を発信することで、自社の活動を認知してもらうことを目的としたものです。
たとえば、新商品、採用情報、研究している内容の発表、新規で組むことになったパートナーシップの概要、自社アピール等で使用されます。
自社のブランドを構築し、メディアに掲載してもらい、自社の強みやこれまでの経緯を伝えることができます。
イベント・セミナー(ウェビナー)
先に挙げた動画等のコンテンツと組み合わせて使用できるものとしてイベントやセミナーがあります。
ウェビナーとは、近年一般化してきているウェブとセミナーを組み合わせた造語です。
オンライン上で開催されるセミナーのことで、時と場所を選ばずに開催できるのがメリットです。
ウェビナー用に作成した動画コンテンツをアーカイブとしてその後も見られるようにしていたり、生配信形式でリアルタイムで視聴者が参加できるようなものも集客が見込める手法です。
コンテンツマーケティングのメリット
コンテンツマーケティングには、多くのメリットがあります。そのメリットをいくつか紹介します。
広告費を削減することができる
ブログ記事や動画などのコンテンツは、 外注した場合は製作費等の料金は発生するものの、1度作成したものを公開すると継続的に集客を見込めます。
よって広告費のコスト削減に繋がります。
コンテンツが資産として蓄積される
コンテンツマーケティングは、蓄積したコンテンツはすべて会社の資産になるという特長があります。
たとえば、100本の動画をアップした場合は100本全てが会社の資産となり、それぞれの動画に見合った顧客を継続的に獲得する事ができます。
集客の仕組みを構築することができる
オウンドメディアに一度蓄積されたコンテンツは、削除しない限り半永久的に広告塔として残り続けます。
つまり、コンテンツが公開されている間はランニングコストをかけずに新規顧客の獲得が見込める、ということになります。それを実現するには、購買意欲の高いキーワードの設定や、SNSを使った宣伝などが効果的です。
中長期的に費用対効果が高い
コンテンツマーケティングは、作成したコンテンツを使って商品のブランディングや顧客のファン化を促すことができます。そのため、わざわざ費用をかけて広告を出す必要性が低くなります。
必要な出費は作成時の費用のみとなるのでランニングコストの削減につながり、結果的に中長期目線での費用対効果を高めることができます。
顧客ロイヤリティの向上
「顧客ロイヤリティ」とは、顧客の企業への忠誠心や愛着のことです。継続的にコンテンツを発信することで顧客との接点を継続することができるので、結果的に顧客ロイヤリティの向上が見込めます。
ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供することで、信頼感が高まり、顧客ロイヤリティの向上を促すこともできます。
SNSでの拡散
世界中の情報を自由に素早く閲覧することができるSNSは非常に強力な宣伝媒体です。
SNSに自社コンテンツを公開することで、不特定多数のユーザーにコンテンツを見てもらうことができるので、SNSとの連携はコンテンツマーケティングを行ううえではおすすめな手法です。
導入しやすい
コンテンツマーケティングはインターネット上のメディアひとつで開始できるため、導入しやすいというメリットがあります。
先に挙げたランニングコストがかからないという点も導入しやすい理由のひとつです。
コンテンツマーケティングのデメリット
先程の章ではコンテンツマーケティングにはたくさんのメリットがあるということを説明しましたが、メリットが多い分、デメリットもいくつか存在します。
現在勉強中の方や、今後「コンテンツマーケティングを導入したい!」と思っている方向けにそのデメリットをご紹介したいと思います。
効果が出るまでに時間がかかる
コンテンツマーケティングは、すぐに効果が出るものではありません。
短期間で多くのユーザーを集めるのは難しい手法です。
検索エンジンから一定の評価を得るためには、コンテンツの量、質両方を充実させなければなりません。
安定したユーザー数を得るまでに1〜3ヶ月程かかる場合もある施策であることを覚えておきましょう。
継続して発信し続ける必要がある
コンテンツは短期的な成果を得るのが難しいということもあり、継続的な情報発信が必要となります。
コンテンツの量は多ければ多い程「資産」として増えていくので、中長期的な目線での継続的な活動をおすすめします。
手間がかかる
ユーザーが必要としているコンテンツを作成するためには、それなりの手間や時間を必要とします。
外注で作成を委託する場合でもコストがかかりますし、一朝一夕で簡単にできる作業ではないということを理解しておく必要があります。
コンテンツマーケティングの具体的な手法
コンテンツマーケティングには適切な手順があります.
しっかりとしたプロセスを踏んで経営体制に取り入れる必要があります。
基本的な手順は以下の通りです。
1.明確な目標を決定する
自社にとってどんな利益をもたらしたいのか?をはっきりと明確化する必要があります。
新規顧客の獲得なのか、既存顧客のロイヤルカスタマー化を目標とするのかによっても、適切なコンテンツは変わってきます。このプロセスでしっかりと目的を具体化しておきましょう。
2.KPIの設定
目標が設定できたら、次は中間目標となるKPIの設定が必要となります。コンテンツマーケティングは中長期的な施策となるので、中間目標を設定することで、目的達成までのモチベーションの維持やパフォーマンス向上にもつながります。
例えば、「ランディングページのコンバージョン率を前年比120%にする」という目的を実現するためには、自然検索流入数の増加や直帰率の改善、精読率の向上、再訪問率の上昇といったKPIが必要です。
目標に到達するための、より効率的なルート設定、と考えてKPIを設定しましょう.
3.ペルソナ設定
ペルソナとは、ラテン語で「仮面」を意味する言葉です。
ビジネスでは「プロダクトを利用する架空の人物像」を指す用語として用いられています。
想定するターゲットの年齢や性別、職業や年収、住んでいる地域、家族構成、ライフスタイルなどを具体的に定義することで、見込み客のニーズを捉えたコンテンツマーケティングを展開できます。
4.コンテンツマーケティングの種類を決める
これまでに設定した情報に基づいて、運用するコンテンツマーケティングの種類を決定します。
先出の通り、コンテンツマーケティングにはかなり多くの種類があるので、設定した目標やペルソナに合わせて適切なものを選択しましょう。
5.メディアの選定とコンテンツの設計・作成
作成するメディアが決定したら、いよいよコンテンツの作成になります。
設定したペルソナにとって有益な物となるように、設計・作成しなければなりません。この時重要となるのがキーワード選定です。
ペルソナのニーズに触れるキーワードを組み込むことによって、コンテンツへのアクセス増加や購買意欲の向上につながります。
また、収益率、売上高の最大化を意識したコンテンツ作成も重要となってきます。
6.効果測定
質の高いコンテンツを提供するためには効果測定も非常に重要なプロセスとなります。
先述したように、コンテンツマーケティングは短期的な成果の獲得が難しい手法です。
継続的な情報発信だけでなく、PDCAサイクルを回しながら、継続的にコンテンツの改善を行っていくことが必要です。
さまざまな解析ツールや、Googleの拡張機能などを駆使しながら、より良いコンテンツの提供を目指していくことが必要です。
コンテンツマーケティングを成功させるためのポイント
最後に、コンテンツマーケティングを成功させるためのポイントを紹介します。
高品質のコンテンツを発信する
利益の最大化を目指すのであれば、見込み顧客の潜在ニーズを把握することが大切です。
まずはコンテンツが充実していなければユーザーは離れていってしまうので、ニーズをしっかりと検討した上でコンテンツを作成しましょう。
適切なタイミングで発信する
そのコンテンツによって適切な発信のタイミングがある、ということを覚えておきましょう。
ブログなどは2.3日に1投稿を行うこと、SNSなどは夕方の時間帯に投稿する、などのタイミングを意識しながら運用していくようにしましょう。
PDCAサイクルを回す
PDCAサイクルとは、Plan(計画)、Do(実行)、Check(測定・評価)、Action(対策・改善)の仮説・検証型プロセスを循環させ、マネジメントの品質を高めようという概念です。
適切なプロセスを踏んでコンテンツの設計・作成・公開を行い、しっかりと効果測定を行った上で評価、改善を行っていくことが必要です。
この考え方はコンテンツマーケティングだけではなく、他のさまざまな施策においても非常に友好的な考え方になるので覚えておきましょう。
まとめ
コンテンツマーケティングの説明は以上となりますが、いかがだったでしょうか?
コンテンツマーケティングとはコンテンツ配信を通じて見込み顧客の獲得や購買意欲・売上高の向上につなげるマーケティング手法です。
集客に困っている企業や、競合他社と差をつけたいと思っている企業、もしくはそういった企業で働いている方のご参考になれば幸いです。
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