近年SNSマーケティングはとても注目されているマーケティング手法となっています。
そんなSNSマーケティングですが、他のマーケティング手法と比べてどんな特徴や効果があるのかや、その実践手順はどのようなものなのかを把握できていない方も多いかと思います。
本記事を読むことで、SNSマーケティングの基礎知識、具体的な実践方法や手順、自分にあったSNSマーケティングなどが分かるようになります。
SNSマーケティングとは
SNSマーケティングは、Instagram、Twitter、Facebookなどを活用をしてファンを獲得し、企業の売り上げやビジネス成長につなげるマーケティング活動のことです。
SNSが普及した2010年頃から活用され始めたマーケティング手法で、現在では大手企業から個人までもが実践できる手法として注目されています。
SNSマーケティングの目的や効果
SNSマーケティングの目的は、企業全体のブランディング、フォロワーの獲得、認知度の上昇、サイト流入の増加、ユーザーサポートなどがあります。
また、SNSマーケティングを行うことで、ユーザーとの信頼関係が築けること、自社の情報がユーザーに届けられる、長期的なファンを作れる、フォロワーの獲得、ウェブサイトのアクセス数アップといった効果があります。
SNSを利用することで自社とユーザーの距離を縮めることができます。また、また、SNSには拡散機能があるものもあるため、ファンになったユーザーが投稿をシェアしてくれることで、効率よくマーケティングを行うことも期待できます。
SNSマーケティングが注目されている理由
SNSで情報を集める人が多い
従来の情報収集の方法は、Yahoo!やGoogleの検索から興味のあることを調べることが一般的でした。しかし、最近ではSNSの利用者が増え、情報収集をSNSからする人が増えています。
レジャーやグルメ、観光といったさまざまなジャンルの情報も、SNSによってあっという間に情報が拡散されるため、消費者の検索動向もSNSへと切り替わっています。そのため、SNSを活用して情報発信することで、いち早く消費者に情報を届けることができます。
SNSを見て商品購入する人も
最近では、商品を購入する際にSNSで情報収集してから商品を購入するユーザーが多くなっています。SNSでは情報の拡散がとても早いため、良い口コミや悪い口コミがあっという間に拡散されてしまいます。
SNSで情報収集する消費者が増加していることから、SNSによる情報発信の重要性が高まっているため、SNSマーケティングに力を入れる企業が増加しています。
よく利用されるソーシャルメディア
Facebookは実名登録制のSNSです。世界で最も利用されているSNSで、日本国内の利用ユーザーも2600万人います。
テキストに加えて画像や動画、シェアなど、さまざまなコミュニケーション機能が充実しているため、ユーザーとの信頼関係が気づきやすく、ビジネスの場面でも多く活用されています。また、実名登録制となっているため、炎上しにくいという特徴があります。
他のSNSと比べてユーザーの年齢層が高めとなっているため、高年齢層へ向けた商品やサービスの宣伝などに向いています。
Facebookの特徴
- 世界で最もユーザー数が多い
- 30代〜40代の年齢層が比較的高いユーザーが多い
- 実名登録であるため、炎上しにくい
- ビジネスの場面でも活用されている
- 海外に向けたマーケティングに利用することができる
Instagramは、写真や動画をメインに投稿するSNSです。国内の利用者も3300万人と非常に多く、その中でもメインユーザーは20〜30代の女性となっています。
Instagramは機能もとても充実しており、画像や動画投稿の他に、ストーリーズ、リール、ショッピング機能などがあります。また、全体のストーリーズの投稿の3分の1はビジネス投稿となっており、Instagramを活用したSNSマーケティングは盛んになっています。
FacebookやTwitterと比較すると拡散性は低めですが、ビジュアル映えするものを投稿することでファンの獲得がしやすくなっています。
Instagramの特徴
- 20代〜30代の女性ユーザーが多い
- インフルエンサーマーケティングに適している
- ECサイトへ誘導する導線を作るショッピング機能がある
- ファッションやコスメ、旅行や料理といった、ビジュアル映えするものと相性が良い
- ストーリーズやライブ配信など、ミレニアム世代と相性が良い機能が豊富
Twitterは140文字のテキストベースで投稿するSNSです。国内利用者は4500万人となっており、情報の即時性と拡散力が強いSNSです。
Twitterは匿名アカウントで登録することができます。また、ユーザー同士のコミュニケーションが取りやすいため、共通の趣味を持つ人同士のコミュニティや、ファン同士で繋がったりすることができます。また、匿名登録ができるため炎上しやすいという注意点もあります。
Twitterの特徴
- 10代〜30代のユーザーが利用し、中でも20代の割合が多い
- リツイート機能により拡散力が強い
- リアルタイムの情報やトレンド情報を把握しやすい
- 匿名登録できるため、炎上するリスクがある
- コミュニケーションが取りやすい
LINE
LINEは連絡やコミュニケーションツールとして利用されるSNSです。国内利用者は9000万人以上となっており、最も利用されているSNSです。
LINEは若年層から高年齢層までの幅広い利用者が登録しており、ターゲットに直接情報を届けることに適しているため、LINEを活用してメルマガを配信する企業も増えています。また、1対1のコミュニケーションを取りやすいため、企業と消費者の間でクーポンの発行や個別連絡、広告や宣伝などにも利用されています。
LINEの特徴
- 10代〜50代の幅広い年齢層に利用されている
- 1対1のクローズドなコミュニケーションが可能
- 直接メルマガや広告、宣伝といった情報を届けることができる
- 1対1で顧客と関係づくりがしたい企業などに適している
SNSマーケティングで期待できる効果とは?
認知度の拡大
SNSマーケティングでは、商品やサービスの認知度を向上する効果があります。SNSでたくさんのフォロワーがいるインフルエンサーに自社の商品やサービスを紹介してもらったり、多くのユーザーに拡散してもらうことで、いいねやリツイートを数多く獲得することができます。その結果、多くのユーザーから自社の商品・サービスの認知を拡大することができます。
情報伝達が早くなる
SNSマーケティングは情報を周知することに関しては圧倒的な効果があります。情報をリアルタイムで発信することができるので情報伝達のスピードが速いだけではなく、発信した情報の反応も素早く確認することができます。企業が発信したい情報を自在な表現でいつでも発信できるので、消費者に対して素早い情報伝達をすることが可能です。
ブランディング効果
SNSマーケティングは企業だけではなく、商品やサービスのブランディング効果を高めることもできます。フォロワーの多い人気インフルエンサーに自社商品・サービスを紹介してもらうことができたり、多くのいいねやリツイートなどで共感を獲得したりすることができ、多くの人に拡散されることで企業の価値が高まります。
企業がSNSで自社のアカウントを作成してうまく運営することで、人気アカウントとなるケースも多いです。企業のSNSアカウントが、ユーザーに対して有益な情報を発信し続けて信頼されるアカウントとして確立することも企業のブランディングに貢献します。
顧客ロイヤルティ醸成
企業がSNSを通してユーザーと交流をもった結果、顧客ロイヤルティが醸成されていくこともメリットとなります。ロイヤルティはユーザーが特定の企業や商品、サービスに対して抱く信頼や愛着のことです。
SNSを通し、ロイヤルティが高まることにより、企業が発信した情報をユーザーが自ら発信・拡散していくことにもつながります。さらに顧客ロイヤルティの高いユーザーが増えることによりライフタイムバリューの向上にもつながり、売り上げに継続的に貢献してもらえるようになります。
顧客獲得単価の改善
SNSマーケティングは企業により費用対効果の良いマーケティングになります。TwitterやInstagram、Facebook、LINEなどのアクティブユーザーが多いSNSは無料で始めることができます。
また、SNS広告はマス広告に比べて低いコストで広告を配信できるメリットがあり、運用にも小回りが利きます。初期コストも安く抑えられるので費用対効果が高いマーケティング手法と言えます。
SNSマーケティングのリスクとは?
SNSの運用に負担がある
SNSを運用するには負担があります。SNSのほとんどは無料で始めることができるのですが、長期的な運用をする場合は時間もかかります。フォロワーを何万人も抱えている人気企業アカウントに成長させるにはSNSの分析をしなければなりません。
人気アカウントに成長する要因には、自社アカウントの投稿に寄せられているコメントへの対応などのコミュニケーションが必要となり、本格的に企業がSNSの運用を始めるにはSNSに業務上、時間を割くことのできる担当者を決めておくことも大事です。
炎上リスクもある
SNSを運用すると、炎上するリスクもあります。
SNSで発信する情報は素早く拡散されますが、多くの人に情報が知られるため批判される可能性も頭に入れておく必要があります。
あまり過激な表現をしている場合は、それを見て不快に感じる人もいるため、コンテンツ発信には注意が必要です。炎上を防ぐためには、SNSの教育、知識の徹底や、投稿する前のチェック体制の確立など会社全体でリスクには備える必要があります。
SNSマーケティングの手法5選
SNSマーケティングの具体的な手法には、次のものがあります。
- SNSアカウント運用
- SNSキャンペーン
- SNS広告
- ソーシャルリスニング
- インフルエンサーマーケティング
1.SNSアカウント運用
SNSアカウント運用では、企業の公式SNSアカウントを使って自社ブランドや商品、サービスについて情報発信をおこないます。
企業の商品やサービスに合ったSNSを活用することで、ファンの獲得、商品やサービスの認知、ブランディングを図ることができます。また消費者とのコミュニケーションが取りやすいため、反応を観察したり、窓口では対応できないような距離感でやり取りすることができます。
2.SNSキャンペーン
SNSキャンペーンは、ユーザー参加型のマーケティング施策で、キャンペーンに参加してもらうことで認知度や話題性を高めることができます。
例えば、特定のハッシュタグを付けた投稿を促したり、応募者の中から抽選で特典を付与したりすることで、より商品やサービスへの愛着が深まり、新規顧客の獲得や既存顧客ロイヤリティの向上へ繋げることもできます。
3.SNS広告
SNS広告は、それぞれのSNSに搭載されている広告配信サービスを利用して広告を表示する手法です。
画像や動画を使った広告をユーザに表示することができるため、興味や関心を引きつけやすい特徴があります。また、性別や年齢、地域や趣味といった詳細なターゲットを設定して広告を配信することができ、さらに配信期間や予算の設定もできるため、柔軟性が高い手法となっています。
ファンを獲得していない状態でもコストをかけることにより、幅広く宣伝することができるので短期間で成果をだしたいときには向いています。
4.ソーシャルリスニング
ソーシャルリスニングは、企業や商品・サービスに対しての評価や口コミといった、ユーザーの声を収集し、新しい改善施策や新規事業に活用するために実施されるマーケティング施策です。
これは、企業が従来実施していたアンケート調査とは異なり、より自由で率直な意見を調査することができるため、今後の新しい取り組みに活かすことができます。
5.インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングは、影響力のある人物や団体を起用して実施されるマーケティング手法です。
影響力のあるインフルエンサーを起用することで、そのインフルエンサーのファンに対して情報発信することができるメリットがあります。また、インフルエンサーに対する信用もあるため、高い訴求力のある宣伝を行うことができます。
SNSマーケティングの実践手順
ここでは、具体的なSNSマーケティングの実践手順について解説します。
SNSマーケティングの具体的な実践手順には、次の5つのステップがあります。
- 目的を明確にする
- 目的に合った手法を決める
- ターゲットを明確にし、目標を設定する
- SNSを選定し、実際に運用する
- 結果を見直し、新しい施策を煉る
これらのステップを実践することにより、SNSマーケティング未経験でも実際にマーケティングを実施できるようになります。
1.目的を明確にする
まず初めに「何のためにSNSマーケティングを実施するのか」という目的を明確にする必要があります。
目的を明確にすることで、SNSマーケティングの方向性や具体的な取り組み方が変わってくるため、軸となる目的をきちんと決めておきましょう。
具体的には、商品やサービスの認知度を向上させたい、ブランドイメージを向上させたい、購入を促したい、といった目的を決めます。
2.目的に合った手法を決める
SNSマーケティングを実施する目的が決定したら、次にどのSNSを活用し、どのような手法で実施するかを決めます。
SNSは利用しているユーザーの年齢層や利用用途、サービスで提供されている機能などが異なっているため、自社のターゲットがどのSNSを利用しているのかを調査する必要があります。
マーケティング手法に関しては、目的に応じてどの手法で実施すれば効果的なのかを念頭に置いて決定する必要があります。
・SNSアカウント運用
→ブランディング、ファンの獲得、見込み顧客の獲得したい
・SNSキャンペーン
→認知度や話題性を高めたい
・ソーシャルリスニング
→商品のイメージ調査、商品レビュー、口コミが知りたい
・SNS広告、インフルエンサーマーケティング
→新規顧客の獲得、話題性を高めたい
達成したい目的を参考にマーケティング手法を決定するようにしましょう。
3.ターゲットを明確にし、目標を設定する
マーケティング手法が決定したら、より具体的なターゲットを決め、目標を設定しましょう。
例えば、「どの年齢層なのか?」「どこに住んでいるのか?」「どんな生活リズムなのか?」といったより鮮明なターゲット像を決めることで、ペルソナを設定します。
ペルソナを決定したら、目標を決めます。
目標は、具体的に分析できるように数字を明確に決定しましょう。
- 月間300人のフォロワーを獲得する
- SNS経由の購入を月間10件獲得する
- SNS経由のアクセスを3000件増やす
このように、数字を用いてより具体的に目標を決めることで、目指すべき方向性が定まり、より的確な施策を実施できるようになります。
4.実際に運用する
SNSを運用するには、運用体制を整えたりアカウントの運用ルールを決めたりする必要があります。
間違えた運用をしてしまうと、統一感のないアカウントとなってしまったり、炎上してしまうリスクがあります。そのため、実際に運用する際には適切な担当者を配置したり、ルールを決めておくことが大切になります。
5.結果を見直し、新しい施策を煉る
SNSマーケティングを実施したあとは、定期的にその結果を見直す必要があります。
定めた目標に対してどの程度達成できているのか、現在どのような課題があるのか、などを定期的に振り返って分析することで、次回の施策に活かすことができます。
また、成果が上がっていない場合には施策を見直したり、方向性を見直して軌道修正することもできるため、分析を行いながらSNSを運用することはとても重要なことです。
まとめ
本記事では、SNSマーケティングについて解説しました。
SNSマーケティングは、多くの企業や個人が実践することができるマーケティング手法であり、SNSの利用者も増加しているため、SNSマーケティングに取り組みたい方はぜひ参考にしてみていただければ幸いです。
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